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矯正医会だより

2024年6月26日 いつ頃から始めるべき? 子どもの歯列矯正 ①
筆者:豊巻 裕紀

 『子どもの歯並びが気になるので歯列矯正を受けさせたい』という保護者の方は近年増加傾向にありますが、一般的にいつ頃から始めるべきなのか、歯列矯正は大人になってからでも始めることができますが、小児のうちから歯列矯正(1期治療)を行っておくことで様々なメリットが得られます。矯正専門医院にご相談にいらっしゃる患者様の中には、『永久歯に萌え変わってからで遅くないよ』などとかかりつけ医に伝えられて成人になり、矯正治療を開始される方が多く見受けられます。
そこで今回は、一般診療をメインにされている先生方で、小児の歯列矯正を検討しているに向けて、どのタイミングで治療を開始した方が良いか、矯正専門医の相談に行かせた方が良いか、どのようなアプローチをされるのが良いか、矯正治療の必要性やメリット、注意点などを分かりやすく数回に分けて解説させていただきます。

 お子様の歯列矯正は可能であれば1期治療から検討するのがおすすめです。1期治療は見た目の良し悪しで決めるのではなく、成長を定期的に観ながら適切な咬合誘導を促し、これから萌えてくる永久歯が綺麗に並ぶ土台づくりのために歯列矯正を行います。様々な要因が重なり口呼吸になってしまっている子どもも多く、口呼吸は歯並びや噛み合わせだけでなく健康にも悪影響を与える可能性があります。
歯列矯正をすることで口呼吸を改善して鼻呼吸への移行を促し、正しい呼吸法や発音を身につけやすくなります。指しゃぶりや舌の癖などが歯並びの乱れの原因となるため、これらの習慣を正す指導を行うことも必要です。この時期の子どもは骨が柔軟なため、顎の成長を利用して治療することができますし、子供の知らず知らずのうちに行なっている癖を見逃さず、不正咬合の要因となりうる態癖をなくすことで口腔内の問題を解決できる事もあります。
また、反対咬合のケースでの治療開始のタイミングをどうするか?と悩まれる先生方は多いのではないかと思います。機能性の反対咬合なのか、骨格性の反対咬合なのかで、私たち矯正専門医院でも自院で治療を開始するのか、外科矯正を併用した矯正治療が必要となるため大学病院などを紹介することもあります。

 このように、でこぼこがあるから始めるのではなく、小児の矯正治療は成長予測や悪習癖などを考慮し、タイミングや最適な治療方針をたてなければいけませんので、成人の方の治療よりも大変な治療となります。もしご自身で治療開始して大丈夫かな、専門医に送った方が良いのか等、お悩みの場合には、渋谷地区矯正歯科医会は渋谷区歯科医師会の先生方からの矯正相談も行なっておりますのでお気軽にご利用ください。

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